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人工関節の挿入置換で障害年金を受給できる場合があります!

この記事では、障害年金専門の社会保険労務士が、人工関節挿入置換の手術後に障害年金の請求を検討されている方に向けて、受給の可能性、請求のポイント、注意点などを分かりやすく解説します。

医療関係者の中には、「身体障害者手帳の制度」と混同してしまい、「人工関節挿入置換は障害年金の対象にならない」と誤解されている場合もありますので、ご注意ください。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガによって、法律で定められた障害の状態になった場合に請求できる公的な年金です。原則として20歳から64歳までの方が対象となります。障害年金には、主に以下の2つの種類があります。

  • 障害基礎年金: 国民年金に加入している間に初診日(障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日)がある場合に請求できます。障害等級は1級と2級があります。
  • 障害厚生年金: 厚生年金に加入している間に初診日がある場合に請求できます。障害等級は1級、2級、3級があり、3級よりも軽い障害状態の場合には一時金として障害手当金が支給されることもあります。

人工関節(股関節・膝関節等)を挿入置換した場合の障害等級の目安は、原則として障害厚生年金 3級とされています。従って、初診日に厚生年金に加入していた方が対象となります。初診日に国民年金に加入していた方は対象となりません(障害基礎年金の1級または2級には該当しないためです)。

障害年金を受給するためには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。

  1. 初診日要件: 障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日(初診日)が、上記の年金制度の被保険者期間中であること。
  2. 保険料納付要件: 初診日の前日において、一定期間以上の保険料を納めていること。(免除期間も含む)
  3. 障害状態該当要件: 障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日、またはそれ以前に症状が固定した日)において、法律で定められた障害の状態にあること。

人工関節の挿入置換で障害年金を受給するための具体的なポイント

人工関節を挿入置換した場合、以下の要件を充足する場合には、障害年金を受給できる可能性があります。ここでは、具体的なポイントを解説します。

初診日の確認

  • 初診日とは?                            

人工関節を挿入する原因となった傷病(変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなど)の痛み等の症状が出て、初めて医師の診察を受けた日を指します。単に傷病名を診断された日が初診日となるわけではありません。

  • なぜ重要なのか?

受給可能性のある障害年金の種類(障害基礎年金か障害厚生年金か)が決まります。保険料納付要件を満たしているかを判断する基準日となります。診断書を依頼する医療機関や、障害認定日を決定する上で起点となります。

  • 初診日の証明が難しい場合

診療録(カルテ)が破棄されていたり(保存義務は最終受診から5年間)、医療機関が廃院していたりして初診日の証明が困難なケースもあります。そのような場合でも、当時の診察券、お薬手帳、生命保険会社への告知書、第三者の証明など、様々な資料から初診日が認められる可能性があります。初診日の証明でお困りの場合は、障害年金専門の社会保険労務士にご相談ください。

保険料納付要件の確認

初診日が特定できたら、次に保険料納付要件を満たしているかを確認します。原則として、初診日において65歳未満であり、以下のいずれかを満たす必要があります。

  1. 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料の納付または免除ないし猶予の手続がされていること。
  2. 初診日において、初診日のある月の前々月までの一年間に保険料の未納の月がないこと。(令和8年3月31日までの特例)

障害認定日の判断

障害認定日とは、その障害の状態が法律で定める障害等級に該当するかどうかを判断する日のことです。原則として、以下のいずれかの日となります。

  • 初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日
  • 1年6ヶ月以内にその傷病が治った(症状が固定した)場合は、その治った日

ただし、人工関節を挿入置換した場合は特例があり、初診日から1年6ヶ月を経過する前でも挿入置換した日をもって障害認定日とすることができます。 (障害認定日の特例)。この場合は、障害認定日の翌月分から年金を受給できます(認定日請求)。 また、障害認定日から3か月以上経過して請求する場合でも、現在の診断書1枚で認定日請求が可能です。(遡及請求の特例)。また、初診日から1年6か月を経過したのちに挿入置換した場合でも、請求日の翌月分からは受給できます(事後重症請求)。

必要となる主な書類と手順

①受診状況等証明書:初診の医療機関で保存されている診療録から受診及び治療を内容証明してもらう書類です。診療録が廃棄されている場合には、他の書類で受診状況を立証する必要があります。

②診断書:人工関節置換手術を実施した医療機関で、障害年金請求用に制定された診断書(肢体の障害用)を記載要領に従って作成発行してもらいます。

③病歴就労状況等申立書:人工関節置換手術を受ける原因となった事故や痛みの発生した時から障害年金請求時までの医療機関での治療歴及び就労状況の推移について、指定された記述ルールに従い、時系列に記載する必要があります。

④上記の他個別に必要とされる書類(個人情報関係)を添えて、障害年金請求書を年金事務所に提出し、受付けてもらう必要があります。

障害年金の請求を社会保険労務士に依頼するメリット

障害年金の請求手続きは非常に複雑で、多くの書類作成や準備が必要です。ご自身で手続きを進めることも可能ですが、専門家である社会保険労務士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

・複雑な制度や手続きを専門家がサポートし、 ご自身の状況に合わせて、必要な手続きや書類について的確なアドバイスを受けることができます。

・ 障害年金の審査で重要となる「診断書」の作成を医療機関に依頼する際の注意点や、「病歴・就労状況等申立書」の作成をサポートし、障害状態を正確に伝える必要書類を準備して年金事務所に提出することで、年金受給の可能性を高めます。

・初診日の特定や証明が難しい場合でも、様々な角度から可能性を探り、証明のためのアドバイスや代行を行います。

・ 慣れない手続きや書類作成及び年金事務所への書類提出に伴う時間的・精神的

な負担を軽減できます。

最後に

人工関節挿入置換の手術を受けられた方が、前記の諸要件を満たしている場合には、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。しかし、その手続きは特例等の扱いが複雑で、ご自身で進めるには多くの時間と労力が必要です。まずは障害年金請求手続代行を専門とする社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。

専門家は、あなたの状況を丁寧にお伺いし、受給の可能性や請求手続きについて具体的なアドバイスをいたします。諦めずに、ご自身の権利をしっかりと確認しましょう。

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