「人工弁置換手術後の薬害発症」で障害基礎年金2級が受給できた例
1 相談に来られた時の状況
ご本人のご主人からお電話をいただき、お二人で当センターの無料相談にお越しになりました。請求人である奥様は、15年前に菌感染により僧房弁破壊が確認され、その後、心臓内科で長く経過観察を受けていました。
3年ほど前に、僧房弁閉鎖不全により救急搬送され、心臓血管外科で人工弁置換手術を実施しました。その直後から血栓防止のためワーファリンの投与を受けると、その薬害と思われる赤い湿疹と痒みが全身に現れるようになったとのことでした。
徐々に湿疹と痒みが強烈になり、今では通常の日常生活が維持できないほど悪化しており、何とか障害年金を受給できないものかと切実な訴えでした。
2.当センターの見解
ご本人は初診時、専業主婦で国民年金加入でしたので、人工弁置換の事実(障害等級3級相当)のみでは、障害基礎年金請求は困難(1級・2級不該当)でした。
しかし、人工弁置換後の血栓防止のために必須の投薬による薬害症状であり、薬と湿疹・痒みとの因果関係が皮膚科の医師による診断書で明示されれば、障害基礎年金2級の認定を受けられる可能性は充分あると判断しました。
3 サポート依頼を受けてから年金請求までに行ったこと
①大学病院の皮膚科の医師に、以下を明示した診断書を発行してもらいました。
a.現在の湿疹・痒みがワーファリンの薬害に起因すること
b.ワーファリンの投与を継続する限り、治療による根本改善は望めないこと
②心臓血管外科の主治医には、以下を明示した診断書を発行してもらいました。
a.血栓防止のため、今後ともワーファリン投与の継続が不可欠であること。
b.湿疹・痒みが発症したとしても、生命の安全維持のために受忍せざるを得ないこと。
③湿疹・痒みが日常生活に及ぼす影響(不眠・注意力疎外・家事不能)について詳細に病歴・就労状況等申立書に記載しました。
4 結果
上記の取り組みにより、障害基礎年金2級(年金額約78万円)の受給通知を受けることができました。
ご主人から「先生にご依頼して本当によかったです。」とのお言葉を頂戴し、医師に粘り強く障害年金請求について説明した苦労が報われた思いがしました。
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