くも膜下出血による右半身麻痺で障害厚生年金1級が認定された事例
事案の概要
- 性別・年代:60代男性
- 職業:元会社員(発症後に退職)
- 傷病名:くも膜下出血、脳梗塞
- 障害の状態:右半身麻痺、失語症
- 決定した年金種類と等級:障害厚生年金1級(認定日請求)
- 年間受給額:約339万円(加給年金あり)
- 遡及支給額:約223万円(8か月分)
この事例のポイント
- くも膜下出血の発症後に脳梗塞を併発し、右半身に重い麻痺が残ったことで、日常生活の多くの場面で家族の介助が必要な状態となっていました。
- 年金事務所では障害厚生年金2級が想定されるとの説明を受けていましたが、日常生活の状況を詳しく確認し、障害の状態や介助の必要性を整理しました。
- 歩行や外出、入浴、着替えなど、一人では難しい動作と奥様による介助の状況を整理し、診断書作成の参考資料や申立書に反映しました。
- 結果として障害厚生年金1級が認定され、年間約339万円の受給に加え、約223万円の遡及支給が決定しました。
相談時の相談者様の状況
最初のご相談は、60代男性の奥様からメールでいただきました。
ご主人は勤務中にくも膜下出血を発症し、緊急手術を受けましたが、その後、脳梗塞を併発し、右半身に重い麻痺が残りました。
リハビリを継続したものの、発症前の仕事に復帰することは難しく、退職することになりました。
右腕はほとんど動かすことができず、歩行には装具が必要で、一人で外出することもできない状態でした。また、入浴や着替えなどの日常生活動作にも奥様の介助が必要で、失語症による会話のしづらさも残っていました。
年金事務所では障害厚生年金2級が想定されるとの説明を受けていましたが、詳しくお話を伺うと、日常生活の多くの場面で家族の介助が必要な状態であることが分かりました。
そこで、麻痺の程度だけでなく、日常生活において一人ではできない動作や、ご家族から受けている介助の内容を具体的に整理することが重要と考えました。
相談から請求までのサポート
① 発症から現在までの治療経過を整理
まず、くも膜下出血を発症した際の救急搬送から、緊急手術、脳梗塞の併発、リハビリ、退院後の通院までの経過を時系列で整理しました。
発症後の症状の変化や治療状況を確認し、障害年金の請求に必要な情報をまとめました。
② 日常生活の状況を整理し、診断書の作成を依頼
右半身の麻痺によって日常生活にどのような支障が生じているのか、具体的な状況を確認しました。
右腕がほとんど使えないこと、歩行には装具が必要なこと、一人で外出できないこと、入浴や着替えに奥様の介助が必要なことなどを文書にまとめました。
整理した日常生活の状況を診断書作成の参考資料として医師に渡し、診断書の作成を依頼しました。
③ 日常生活と就労状況を申立書に反映
発症後に職場復帰できず退職した経緯や、現在の日常生活の状況について、申立書に具体的に記載しました。
特に、移動や外出、入浴、着替えなどで奥様から日常的に介助を受けている状況を整理し、生活上の支障が伝わるようにしました。
結果
障害認定日による請求を行った結果、障害厚生年金1級が認定されました。
- 年間受給額:約339万円(加給年金あり)
- 遡及支給額:約223万円(8か月分)
当初、年金事務所では2級が想定されるとの説明を受けていましたが、日常生活における具体的な支障や家族による介助の状況などを整理して請求した結果、1級の認定につながりました。
社労士の見解
くも膜下出血や脳梗塞などの脳血管疾患によって麻痺が残った場合、障害年金の請求では、病名や麻痺の程度だけでなく、実際の日常生活でどのような支障が生じているのかを確認することが重要です。
特に、歩行や外出、入浴、着替えといった日常生活動作について、一人で行える範囲や、家族などの介助を必要とする状況を具体的に整理することが大切です。
脳血管疾患による後遺症で日常生活に支障が残っている方は、障害年金の対象となる可能性があります。
投稿者プロフィール

- 社会保険労務士
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初めまして。社会保険労務士の田村浩一です。
金融機関勤務時代から社員のメンタルヘルス管理に携わり、社会保険労務士の資格を得て2010年4月独立。
その後、多くの年金・労務相談を受ける中で、障害年金請求についての支援活動の必要性を実感し、2012年7月埼玉障害年金相談センターを設立しました。
以来、障害年金制度をより多くの方に知っていただき、一人でも多くの方の障害年金受給を実現できますようにご支援をしております。
障害年金受給をきっかけに、ご本人やご家族が経済的・精神的に安定し、より明るい生活を過ごして頂くことが私どもの願いです。
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