脳出血で障害厚生年金2級が認定され、約491万円を遡及受給した事例
事案の概要
- 性別・年代:50代男性
- 職業:会社員(職場復帰後、在宅勤務を中心に就労)
- 傷病名:脳出血
- 障害の状態:右半身麻痺
- 決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級(認定日請求)
- 年間受給額:約223万円
- 遡及受給額:約491万円(約2年3か月分)
この事例のポイント
- 脳出血による右半身麻痺が残り、歩行や階段昇降、更衣、移動などの日常生活動作に大きな制限が生じていました。
- 職場復帰していたため、ご本人は障害年金を受給できないと考えていましたが、実際には配置転換や在宅勤務など、職場の配慮を受けながら働いている状態でした。
- 発症から症状固定までの治療経過を確認し、障害認定日時点の診断書を取得して、認定日請求を行いました。
- 日常生活の支障と職場で受けている配慮の実態を整理して請求した結果、障害厚生年金2級が認定され、年間約223万円の受給に加え、約491万円の遡及受給が決定しました。
相談時の相談者様の状況
ご相談に来られたのは、50代の会社員の男性でした。
約2年半前に脳出血を発症し、入院・リハビリを経て職場復帰していましたが、右半身には重い麻痺が残っていました。
歩行や階段の昇り降り、着替え、移動などの日常生活動作に大きな支障があり、発症前と同じような生活を送ることは難しい状態でした。
一方で、職場には復帰していたため、ご本人は「働いているので障害年金はもらえない」と思い込んでいました。
しかし、詳しくお話を伺うと、実際には発症前と同じ業務を担当することが難しく、身体への負担が少ない業務へ配置転換されていました。また、通勤や移動による負担を軽減するため、在宅勤務を中心に働いており、職場からさまざまな配慮を受けている状況でした。
障害年金は、就労しているという理由だけで対象外になるわけではありません。
今回のケースでは、右半身麻痺による日常生活の支障に加えて、職場の配慮を受けながら就労を継続している実態を整理することが重要と考えました。
相談から請求までのサポート
① 治療経過を確認し、認定日請求の可能性を検討
まず、脳出血を発症してから入院、リハビリ、症状固定に至るまでの治療経過を確認しました。
発症から約2年半が経過していたため、障害認定日時点の状態を確認し、過去に遡って障害年金を請求できるかどうかを検討しました。
その結果、障害認定日時点の診断書を取得し、認定日請求を行う方針としました。
② 日常生活における支障を整理し、診断書の作成を依頼
右半身麻痺によって、日常生活にどのような支障が生じているのかを詳しく確認しました。
具体的には、杖の使用状況、歩行や階段昇降の難しさ、更衣や移動の際の制限などについて整理しました。
これらの日常生活の状況が伝わるように情報をまとめ、医師に診断書の作成を依頼しました。
③ 職場復帰後の就労状況を申立書に反映
今回の事例では、職場復帰していることだけでなく、どのような環境や配慮のもとで働いているのかを確認することも重要でした。
ご本人は職場復帰後も発症前と同じ業務を行うことができず、身体への負担が少ない業務へ配置転換されていました。
また、在宅勤務を中心とした働き方となっており、職場の配慮を受けながら就労を継続している状態でした。
こうした発症前後の仕事内容の変化や勤務形態、職場から受けている配慮の内容を整理し、申立書に具体的に記載しました。
結果
障害認定日による請求を行った結果、障害厚生年金2級が認定されました。
- 年間受給額:約223万円
- 遡及受給額:約491万円(約2年3か月分)
職場復帰していたものの、右半身麻痺によって日常生活に大きな支障があり、職場でも配置転換や在宅勤務などの配慮を受けている状況を整理して請求した結果、障害厚生年金2級の認定につながりました。
また、障害認定日時点に遡って請求したことで、過去の期間についても約491万円の遡及受給が認められました。
この事例からわかること
脳出血などの脳血管疾患によって麻痺が残った場合、職場復帰していることだけを理由に障害年金の受給を諦める必要はありません。
障害年金の審査では、障害の程度や日常生活における支障などを踏まえて判断されます。就労している場合でも、配置転換や在宅勤務など、職場からどのような配慮を受けて働いているのかを具体的に整理することが大切です。
また、過去の障害認定日時点で障害等級に該当していたことを確認できる場合には、認定日請求によって過去の期間の年金が支給される可能性もあります。
脳出血などの後遺症によって日常生活や仕事に制限が生じている方は、現在働いている場合でも、障害年金の対象となる可能性があります。
投稿者プロフィール

- 社会保険労務士
-
初めまして。社会保険労務士の田村浩一です。
金融機関勤務時代から社員のメンタルヘルス管理に携わり、社会保険労務士の資格を得て2010年4月独立。
その後、多くの年金・労務相談を受ける中で、障害年金請求についての支援活動の必要性を実感し、2012年7月埼玉障害年金相談センターを設立しました。
以来、障害年金制度をより多くの方に知っていただき、一人でも多くの方の障害年金受給を実現できますようにご支援をしております。
障害年金受給をきっかけに、ご本人やご家族が経済的・精神的に安定し、より明るい生活を過ごして頂くことが私どもの願いです。
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